つらつら。

ジャニーズってすごい!

足がなくても走れる

 

 走れません。足がなくても走れるとかムリムリ。ハイテク機器使うならまだしも、片足欠けて義足もなしに走るなんて無理ですって!

 というのが最近の気持ちです。エイトが6人になって走るための足を失くしたらどうなるんんだろう?と思ってます。まあでも、この人たちって足が無かったら翼生やすタイプだからなんとかなるか。キメラ状態になってでも良いものを提供しようとしてくれるのは分かってたから今更驚きはしない。

 

 渋谷すばるくんは、とてもすごい人だ。有名人だ。ジャニヲタじゃない友人に写真を見せても「誰このおじさん」と呼ばれてしまうが、それでもとんでもないアイドルグループのセンターでとんでもない歌を楽しそうに歌っていた、無敵のおじさんだ。

 私はすばるくんの歌が少し苦手だった。最初はうるせ~~と思う事もあった。それでもエイトの歌を聞くうちに、この人居なきゃダメじゃん!と感じるようになって、いつのまにかすばるくんのアルバムまで買っていた。オタク心ではない。自担はすばるくんではない。じゃあなぜ買ったかって、歌が好きだからだよね。純粋に、すばるくんの歌が良いから。耳に馴染んだあとはもうすばるくんの歌声ナシの姿が想像できなかったし、まあすばるくんが居なくなるなんて突然地球が爆発するくらい有り得ない話だよね~~~~って思ってた。思ってたよ。事務所やめちゃうけどね。

 

 私はまだ、すばるくんの事で泣いていない。別に泣きたいとも思わない。いなくなるのは寂しい事だけれど、今の段階で悲しさは感じていないから。ショックがあってもそれは「エイトから離れなきゃいけない」と思ったすばるくんに衝撃を受けたからで、すばるくんいなくならないで!とかもういっそさっさといなくなればいいのに!とか、そういう事は一切思わない。

 すばるくんが不器用な人だということはなんとなくわかっていたから、特大企画に丸々一年、夢を我慢してでも付き合っていける人だとは思えなかったし、たぶんその選択は間違ってないんだと思う。すばるくんが本気で学びたくてエイトを、事務所を辞めるしかない、辞めるんだ、と思いながらグレ魂に出ていたら、その事実を知った時私はとてもとても傷つくだろうし、今だってこの数か月間そういう気持ちを心のどこかに抱えながらやってたんだと思うとしんどくて仕方がない。

 なんなら、35歳を超えていたジャム魂も(友達に貸してて帰ってきたけど)怖くて見れない。心が苦しくて仕方がない。すばるくんを責めるポイントがあるとしたら、「一つ前の円盤メチャメチャ複雑な気持ちで見るしかないんですけど!?」ってところだろうか。まあ本人には伝わらないけれど。

 

 すばるくんは、「人生半分まで来た、やりたいことをやらねばならない」と思ったらしい。私はまだ5分の1も生きていない小童だからすばるくんの気持ちがどんなものか推し量ることはできないけれど、それでもいくつか分かるところはある。だからこそ、行かないでと思わなかったのかもしれない。

 私や友達、親に先生先輩、社長部長、バイト先の店長。街を見渡せばいっぱい人はいるだろうけれど、生きている人間だから見える場所に居る。そういう感覚がつい抜けてしまうのがアイドル観賞だ。後ろから追いかけ回される毎日、根拠のない誹謗中傷、かっこいいと褒める女が居ればきもちわるいと言う女もいる。たぶんまともな人間はすぐに辞めるだろう。そんな推察でしかない事を常識かのように振り回して、「じゃあまともじゃない人たちだからいいよね」と言う人たちがいる。文字にするとそれがいかに暴論なのか伝わるだろうけれど、ごくごく自然に我々はそういう意識を持ってしまっている。だからこそ、好き勝手に文句が言える。文字通り、アイドルの「人生」を眺めていることをすっかり忘れているから。

 

 すばるくんは人間だ。生きている。でもいつかは死んでしまう。人生あと半分、つまるところは70過ぎたらいつ死んでもおかしくない、動けるうちに動かねばということをすばるくんは考えたんだと思う。エイトに甘え事務所に資金提供してもらって、というのは所属するアーティストなんだからそりゃそうでしょと思う人もいるかもしれないけれど、「一人で海外に発ちたい」というすばる君を人間だと思わない人が散々な事を言う可能性はそれなりにあるんじゃないだろうか。例え事務所に所属していたとしても言われるなら、もういっそ辞めて、大事な仲間に迷惑が掛からないように、グループとして作り上げるものが中途半端にならないように、尚且つ自分が死ぬまでに遂げたいと思ったことをやりきるのが道理じゃないだろうか。そう思ったっておかしくはないんじゃないか、とも思う。

 すばるくんは事務所に居る限り誰かに守られる。すばるくんは不器用な人だから、全部つっぱねようとがむしゃらにもがくだろうけれど、それでもすり抜けるものはある。流れ弾で傷つくすがたも想像できる。でもすばるくんだってそれくらい分かってる。それでも甘えられないと思ったなら、そうか、と言うしかないだろう。

 

 必死に生きて生き抜いて、歌い続けてほしい。死ぬまで歌ってくれないと、気持ちとしては納得できない。まあまだ夢の段階だろうから何とも言えないけど。今まで命を懸けて歌ってた渋谷すばるが嘘じゃないと証明してほしい。関ジャニ∞から離れた意味を、どれだけ時間がかかっても良いから見せてほしい。あの歌声をまた生で聞かせてほしい。びりびりと肌に焼けつくような感覚を思い出させてほしい。渋谷すばるを突き動かした、音楽のちからを感じたい。おじさんになってもおじいさんになってもいいから。

 

 さて、これから新しい場所で、自分の事を守ってくれる仲間から離れようとしているすばるくんをどんな目で見たらいいだろうか。わからない、わからないけれど、わからないなりにエールを送りたい。元関ジャニ∞と名がつくであろう彼にではなく、夢を追う一人の人間としての渋谷すばるに、私から同じ人間としてのエールを。